歴史の中の『万葉集』

第1・3金曜日 13:30~15:00
10月4日~12月20日 全6回 
〔10/4・18、11/1・15、12/6・20〕
武田 比呂男( 十文字学園女子大学教授 )
日本最古の歌集『万葉集』のなかで、作られた時期が明らかなうたは新旧で130年ほどの開きがあります。それは天皇を中心とした統一国家が成立していく時期や、律令制国家が衰退を始める時期など、激動の時代を含みます。作者たちの多くが古代の歴史のなかでさまざまに活躍する、天皇とその一族や、古代豪族の末裔氏族に、新進の貴族官僚たちです。『万葉集』のなかに歴史があるのです。古代の歴史を見据えながら読むことで『万葉集』の新たな魅力が発見できるでしょう。今期は、内舎人として聖武天皇に仕えるようになった時期の大伴家持の歌を中心にとりあげます。平城京を捨てた帝に供奉しながら、新都・恭仁京をほめる歌をつくったり、短歌の連作を試みたりと歌人としても成長をみせます。しかし、名門復活ののぞみをかけた安積親王の急逝(暗殺という説も)もあり行く末はなかなか困難な時期でもあります。古代史や『万葉集』に関するミニ知識満載の講座です。『万葉集』を通じ古代の人々の息吹を感じませんか。
※万葉集を継続して読んでいますが、各回独立した内容ですので、途中からの参加も大歓迎です。

★カリキュラムと各回の内容
第1回 恭仁京讃歌二種(境部宿禰老麻呂・巻17・3907〜8、 大伴家持巻6・1037)
第2回 弟書持と霍公鳥の歌を贈答する(巻17・3909〜13)
第3回 大伴家持の秋の歌三首(巻8・1597〜1599)、鹿鳴歌二首(巻8・1602〜1603)
第4回 活道の岡の宴歌(市原王・大伴家持 巻6・1042〜1043)
第5回 大伴家持安積皇子挽歌(巻3・475〜6)
第6回 独り平城の故宅に居りて作る歌六首(大伴家持 巻17・3916〜3921)

★講師プロフィール
日本古代文学、民俗文化専攻。著書に『仏法と怪異 日本霊異記の世界』、共著書に『躍動する日本神話』、『シャーマニズムの文化学』、論文に「大伴家持の祈雨歌小考」、「流離する貴種の論理ー折口信夫論の試みー」など。
18,480円(税込・6回分) 
※別途、設備使用料900円(税込・6回分)がかかります。
◆資料代  660円(税込・6回分)
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