歴史の中の『万葉集』

第1・3金曜日 13:30~15:00
7月19日~9月20日 全6回 
〔7/19、8/2・23・30、9/6・20〕
※8月は第1・4・5週です。
※8/16は台風接近に伴い、休講となりました。
※8/16休講分の振替を8/23に実施いたします。
武田 比呂男(十文字学園女子大学教授)
日本最古の歌集『万葉集』のなかで、作られた時期が明らかなうたは新旧で130年ほどの開きがあります。それは天皇を中心とした統一国家が成立していく時期や、律令制国家が衰退を始める時期など、激動の時代を含みます。作者たちの多くが古代の歴史のなかでさまざまに活躍する、天皇とその一族や、古代豪族の末裔氏族に、新進の貴族官僚たちです。『万葉集』のなかに歴史があるのです。古代の歴史を見据えながら読むことで『万葉集』の新たな魅力が発見できるでしょう。

 藤原広嗣の乱に発して聖武天皇は平城京を捨て、東国に行幸し、新しい都・恭仁京建設に取り掛かり、最後の宮廷歌人、田辺福麻呂はこの都を寿ぐ歌をつくりました。一方、家持は、亡妻挽歌の系譜に連なる亡妾悲傷歌群、大嬢との正式な結婚に至る相聞歌を作りました。今回、「たわやめの恋」に溺れ配流されることになった石上乙麻呂の歌も取り上げます。古代史や『万葉集』に関するミニ知識満載の講座です。
『万葉集』を通じ古代の人々の息吹を感じませんか。
※万葉集を継続して読んでいますが、各回独立した内容ですので、途中からの参加も大歓迎です。

★カリキュラムと各回の内容
第1回 大伴家持の亡妾悲傷歌(巻三・462〜474)
第2回 大伴家持と紀郎女(巻四・762〜764ほか)
第3回 大伴家持と坂上大嬢「離絶数年」後の歌(巻四・728〜740)
第4回 石上乙麻呂の土佐国配流の歌(巻六・1019〜1023)
第5回 笠聖武天皇の東国行幸(巻六・1030〜1033)
第6回 田辺福麻呂の久邇京讃歌(巻六・1050〜58)

★講師プロフィール
日本古代文学、民俗文化専攻。著書に『仏法と怪異 日本霊異記の世界』、共著書に『躍動する日本神話』、『シャーマニズムの文化学』、論文に「大伴家持の祈雨歌小考」、「流離する貴種の論理ー折口信夫論の試みー」など。
18,480円(税込・6回分) 
※別途、設備使用料900円(税込・6回分)がかかります。
◆資料代:600円(税込・6回分)
◆会場:毎日文化センター
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